トイレや風呂で失神する人。:「血管迷走神経反射とは」

寒くなってきましたね。
ところで、年間1万4千人もの人が「入浴中の死亡事故」って知ってますか?

お風呂での事故のほとんどが冬に発生することから、
「浴室が寒く湯温が高い→血圧が急上昇 → 心筋梗塞や脳卒中が発生」
というのが原因だと思ってる人が多いと思うのですけど、
じつは、この原因で亡くなる方は、全体の10%もいないことが最近わかったそうです。

それでは、
90%のほとんどの人がどういう原因で亡くなるのでしょうか?
というと、
その原因は、入浴中の「失神」で死亡するらしいです。
失神でっせ。失神。

なぜ風呂で失神するのか?
じつは原因が判っていないのです。

しかし、一般的な推論では、
暖かいお湯によって、体の中の血管が広がって。
そうすると、血がゆっくり流れ始めます。
血管は広くなっても、血の量は一定ですから、
血管が広がっただけ血圧が低下します。
そこで脳に血を送る量が足りなくなって貧血を起こすのではないかと言われている。

つまり、
高血圧ではなくて、低血圧で、血流が低下して脳貧血で失神し、
少量の水が肺に入って、ショックを起こし、虚血性心不全で死するのではないか?
と今のところ言われてます。


ということなんですけど、なぜこんな話をしたのかといいますと、
僕はね。
違う原因だと思うのです。
今回はそれを書きたいと思う。


僕は昔、
食中毒になって、強烈な下痢で失神しそうになったことがある。
そのとき、お医者さんが、
「腸と脳は繋がっているから、下痢とか便意で失神することはよくある。」
とおっしゃったのですけど、
ずっと原理が判らなかったのです。
どういう原理で下痢→失神するのか。

それで、僕の回りでも、
「原因不明の失神」を経験した人が案外存在するという事例があって、
例えば、何気ない日常生活で、
急に気持ち悪くなって失神する人がいたのです。
病院で調べても、どこも悪くないのですよ。

ゴルフの仲間の人がね。
「急に失神するんだけどなんでしょう?」と言ってましてね。
「脳とか心臓とか調べたほうがいいのではないですか?」というと、
「そう思って、精密検査したのですが、どこも悪くないんですよ。」
「へぇ?気持ち悪いっすね。」
って世間話してたんですけど、

その人は、最近、「血管迷走神経反射による失神」と判ったそうです。
この「血管迷走神経反射による失神」というのは、
お医者さんも良く知らなかった失神みたいです。

この、「血管迷走神経反射」という症状はですね。
自律神経系の突然の失調のために、
血圧や心拍数が急激に下がり、脳に行く血液循環量を確保できないために、
失神や目まいなどの症状が起こる症状です。
つまり、心臓が悪いわけではなくて、
自律神経のバランスが崩れるから起こるのです。

それで重要なのは、
この血管迷走神経という自律神経は、
腸の回りとか内臓の回りとか、皮膚の近くとかに存在するってことで、
お腹が痛いとか、注射で皮膚が痛いとかいわゆる外的刺激で、
意志とは関係なく、反射的にショック状態を発生させるということである。

経験ありませんか?
トイレで排尿後に気持ち悪くなって倒れそうになったことってありませんか?
腹痛で吐き気と便意で気持ち悪くなったことは?
注射とか骨折で痛くて失神したことありませんか?
強烈な下痢で貧血したことありませんか?
高所恐怖のために意識が遠のくとか?
炎天下の運動でフラフラ意識がなくなりそうなことは?

実は、これらは、全部がそうというわけではないですが、
「血管迷走神経反射」でも発生する失神なのです。

血管迷走神経反射は、
長時間の立位、温暖下での激しい運動、恐怖感や情緒的不安定、激しい痛みなどによって誘発されるそうで、
極端な場合は失神が起こります。

この失神の前兆は、発汗、頭痛、吐き気、熱感や寒気などだそうです。
また、顔色が悪くなったり、あくび、瞳孔の拡大、おちつきがなくなることもあるらしい。

失神の前兆は、失神の30秒から数分前に起こり、
ただし、3分の1の人は何の前兆もなく、失神が起こります。
意識を失っている時間は、30秒から5分程度。失神時にけいれんのような動きをすることもあります。
失神後の回復は早く、普通意識障害はありません。
ケロってしてるってことです。


この解説を知って、僕は「なるほどね。」と
思い当たることが多かったんですよ。

最初に紹介したお風呂で失神ですけど、
暖かいお湯で、血管が拡張し、血圧低下によって失神というよりも、
パニック失神ではないか?と考えたほうが説明しやすい。
なんらかの皮膚刺激によって誘発される自律神経不調によって
ショック状態になるのではないか?と思うのです。
なんせ風呂は裸で入りますからね。
皮膚ストレスがかなり多いと思われるのです。

なぜそう思うかというと、
もしも血管拡張によって、お風呂で失神するのならば、
お酒を飲んだら、必ず失神しなくてはならないですよね。

ですからお風呂で失神する原因のすべてが、
お風呂の温度が原因ではないと思うのです。
直接の原因が、血管拡張で失神するとしても
血管拡張の原因が温度ではないということです。
確かに、温度が高いと血管は拡張し、血圧は低下するでしょう。
しかし、失神まではしないと思うのね。
つまり、お風呂で失神する直接的原因は何らかの刺激で、
皮膚や内臓の自律神経が反応し、
いわゆるパニック症状ですね。
高所恐怖症とか閉所恐怖症とか
顔面が蒼白して失神の場合と同じ理由。
興奮して失神じゃなくて、恐怖で失神。
つまり、低血圧で失神なんですけどね。
いわゆる、パニック性のショックで
「血管迷走神経反射」を起こすのではないか?
と考えるわけです。

それで、予防法ですけど、
治療としては、もし、血管迷走神経反射を誘発するような条件があれば、それを避けるようにします。
例えば、長時間の立位、激しい運動、高温、脱水、薬、アルコールなどです。
前兆がくれば、横に寝て、そして、手を強く握り、腕や足に力を入れます。
これで、失神の予防ができることがあるそうです。
そして、1日2リットルの水分と塩分を十分取ることも予防法の一つだそうです。
他の予防法として、毎日、壁にもたれて、10-30分立つ訓練をする方法があります。

特に下痢で失神しそうな人は、体液が酸性に傾いている場合が多いらしいです。
腸内がアルカリ性なので下痢することにより、酸とアルカリのバランスが崩れて失神する。
予防法として体液をアルカリ性にする。つまり、酢を好んで飲むと良いみたいである。


これらの方法で、どうしても失神が予防できない人は、ベーターブロッカー、ミネラルコルチコイド、血管収縮薬(ミドドリンなど)などの薬を使用します。

もちろん。
失神を起こした場合、他の原因による失神の可能性もあるので、
心電図、ホルター心電図(24-48時間着用する心電図)、脳波検査、心エコー、脳のMRI(核磁気共鳴画像)などの検査を行うのが大事です。

ちなみに、
血管迷走神経反射による失神であるかの判断は、
60-70°程度に傾斜して行う、「ティルトテーブルテスト」という検査を行うことがあります。

厄介ですけど、
いわゆるどこか内臓あたりが明らかに悪いというような病気でないのです。
もしも原因不明の失神に悩む方とか、
よくトイレで気持ち悪くなるとか、
パニック持ちで失神しそうな感覚に悩む方がいれば
覚えておいて下さい。
血管迷走神経反射という症状をね。

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