ディズニーランドの掃除キャストがなぜ憧れの職業になるのか?

今回は、「憧れの仕事」についての考察してみたい。

ヒトはどういう原理で、何かしらの仕事に憧れるのか?

憧れの職業は、時代と共に変わりますが、
例えば、女の子の場合。昔は、スチュワーデス(キャビンアテンダント)だったし、
今は、女子アナでしょうか?
他にも、女優とか人によってイロイロあると思います。

聞いた話であるが、
東京ディズニーランドで掃除のキャストをアルバイト募集すれば、
直ぐに募集人員が集まってしまうそうだ。
通常、若い人が仕事を探すときに、
ほうきを持って掃除をするアルバイトに、こぞって応募することは珍しいと思われる。

しかし、
東京ディズニーランドの掃除のキャストは、多くの若者の憧れの仕事なのだ。

これは、すごく変な話である。
というのは、
キャビンアテンダントや女子アナのように、
それと同じように、掃除係りに憧れるんですよ。

もちろん、掃除は、開運に非常に価値があると考え、
率先して便所掃除を行う人も多いと思いますが、
そういう得する理由ではなくて、
掃除してる人にアイドル的な憧れを持つというのが、すごく変だと思うのだ。

しかし、実は、
憧れの職業になるには、一定の法則がある。
その法則と合致していれば、掃除係でも憧れの仕事もなるのだ。
この法則は、いろんな応用が効くと思われるので是非覚えておかれると良いでしょう。


さて、

1983年に、社会学者のホックシールドが、
航空機の客室乗務員(スチュワーデス)の労働を分析し、

「彼女たちは『自分の仕事を愛し、楽しんでいる』ように働き、
乗客も『楽しかった』とフライトを満喫するように努めることが、
彼女たちの仕事の生産物となっている。」


と、著書『The Managed Heart』で発表し、
その労働を『感情労働者』と定義した。

つまり、客室乗務員は、自分の仕事に対し、
非常に満足しているという印象を、お客さんに与えることは、
お客さんに毛布をかけてあげる事と同様に、
彼女達の重要な仕事であるということであります。

そのために彼女達は感情をコントロールする仕事をしている訳で、
それを感情労働者というらしい。

そして、
まさに、憧れの職業となるのは、
この「完璧な感情労働者」なのであります。

良き感情労働者は、非常に好印象を与えるだけでなく、
尊敬の念を感じさせるそうである。

例えば、
客室乗務員が、非常に美人で知的で、
尚且つ、お客様に対し、完璧なサービスを行ったとしても、
彼女達が自分の仕事に誇りを持たず、
なんだかいつも不機嫌ならば、
客室乗務員が憧れの仕事になることは無いであろうということです。

仮に、私生活で嫌な事があっても、変なお客さんにクレームされたとしても、
それを感情に出さず、堂々と上機嫌で、仕事をしているように見えるので、
「カッコイイな~。」と感じさせる魅惑力が発生するのだ。

大事なのは、
「上機嫌にみえる」という点で、
実際には、365日いつも上機嫌でいられる訳がないので、
「いつも楽しそうにしてる。」ような印象を与えられるように
常に感情をコントロールする訓練が必要になる。

それは、
あたかも、職人が、自分の腕や指を、自分の肉体や感情から分離させ、
完璧な仕事をするように、
「感情労働者」である客室乗務員は、
感情を自分から分離させ、
感情それ自体をサービスの一部にしているのであります。


東京ディズニーランドには、
毎年150万もの人々が訪れるそうである。
ということは、2度3度と訪れるリピーターゲストが多いということであり、
もしも、リピーターがいなければ、3~4年でお客様はいなくなってしまうであろう。

では、どうして人はもう一度そこを訪れたくなるのか。
その成功の秘訣は、
「人は感動すれば必ずそこへもう一度行たくなる。」という
東京ディズニーランドの理念にあると思われる。

そして、
その感動を支えるのを、「行き届いた掃除」と規定してる。
魔法の王国に、ゴミがあってはいけない。

そして、掃除キャスト達は、
間違いなく、その理念をモチベーションとしている訳であるが
大事なことは、
彼らが、楽しんで掃除をしているということである。
否、
楽しんで掃除しているようにみえるということである。
それが彼らが憧れの対象になっている根本的な理由である。

決して、掃除キャスト達が、完璧な掃除をすることによって憧れになっているのではない。
掃除キャスト達は、完璧な感情労働者であったゆえに憧れの対象になったのです。
これは、ディズニーランドの社員教育の成果でもある。

この原理を知って、
実際に繁盛してるいろんな業種のお店を観察してみると、
確かに繁盛してるお店に共通してるのは、
従業員が楽しそうに仕事をしているようにみえる店である。

例えば、僕の知ってるある焼き肉屋のスタッフなんですけど、
老若男女区別なく、非常に人気がある女の子がいるのですが、

まず、その女の子は、焼き肉屋のスタッフらしくない雑誌のモデルみたいな綺麗な子で、
とにかく笑顔と愛想がすばらしく良いのですが、
焼き肉屋の看板娘である自分が好きでたまらないように見えるのです。

ところで、
さっき「焼き肉屋のスタッフらしくない雑誌のモデルみたいな子」と書きましたが、
おそらく、
焼き肉屋の看板娘である自分が好きでたまらないように見える故に、
焼き肉屋らしくない雑誌モデルに見えると思うのです。

もしも彼女が仕事に不満があるように見えるのならば、
そのような印象を、多くの人に与えられないと思うのであります。

この感情労働の考え方が必要なのはお店ばかりでない。
感情労働は客室乗務員から派生した概念ではあるが、
もしも、貴方が魅力的になりたいとか、
自分のやってる仕事の後継者が欲しいとか、
誰からも好印象で見られたいと思うのならば、
「感情労働者」でなくてはならない。


つまり、
仕事をするにも、ボランティアをするにも、
家事をするにも、ご飯を食べたり、お茶を飲む時も、
仕事の内容を完璧にこなすよりも、
いつも「私は仕事が楽しのよ!」というようにみえる「動機付け」及び「訓練」を、習慣にするべきである。
ということなのです。

最近、読んだ本にも書いてありましたが、
「歴史上の英雄やカリスマは、不機嫌で神経質な人物が多いように感じるけれども、
側近の話を調査すると、実際は、いつも上機嫌な人が多かった。」そうである。

英雄やカリスマは、人望を集める術に非常に長けているわけであるから、
「感情労働者」であったという証明であろう。


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この記事へのコメント

カズ
2010年07月22日 19:55
な~るほど!!
僕は、時々自分が「上機嫌」なのか、それがペルソナなのかがわからなくなり
よく混乱するのですが、どうやらこのままで良いのですね!!
「そう、見える」のであれば問題ないんだ~と、安心しました。
さて、先日、お墓参りに行ってきました。
(ご先祖様のステージが、アゲアゲになると良いのですが…)
おかげさまで、楽しくお参りできましたよ!!
ありがとうございました~!!
2010年07月22日 20:17
思うに、ある時期からキャビンアテンダントの人気が急降下したんですけどね。
いまとなって思えば、感情労働者が居なくなったということが大きな原因だったんですよ。
たしかに美人揃いは変わらなかったのにね。
教育の低下でしょうね。>カズさん。
カズ
2010年07月22日 21:48
うーん、確かに教育の低下はあるでしょうね…。
なんか最近のこどもたちも、「○○ごっこ」をやらなくなったような気がします。
オトナたちに、憧れられるような魅力や個性がなくなったのか、
世の中のカラクリが、子どもたちにバレちゃったとか(笑)
これからは、ミッキー、シンデレラごっこじゃなくて、
「掃除キャストごっこ」だったりして…(笑)
まっゴキゲンな笑顔が見れれば、それもいいか…。
おみつ
2010年07月25日 06:46
おっはよーございます。エイジさんー。
確かにディズニーのお掃除の方は素敵ですよね。冬に家族で行って子供が手袋したままポップコーンを食べようとし、風にあおられ入れ物が傾いたんですよね。あぁ!高いポップコーンが下に落ち風に吹かれあれよあれよと散らばっていくのに、どことなく現れ片づけるお掃除の方。空の箱を持って呆然とする子供。でも そのあとがすごい。空の箱を持ってもう一度買いに行ったら無料で入れてくれたんです。見えていたんでしょうか。素敵~♪って思いました。ランドはあれだけ行列ができていても、落書きひとつないし素晴らしいです。
かつて 私もバリバリ働いていた頃、3K…いや9Kとも言われていたけれど、楽しかったしやりがいがありましたわ。嫌なことってなかったんじゃないかと思うくらい。あの頃はおみつさんみたいになりたいと言われたけれど、今じゃ子供から おかーさんみたいになりたくないって言われちゃってる(>_<。) 笑顔が足りんせいかのぅ。
ヒュギエイア
2010年07月25日 23:17
始めまして、エイジさん。

>楽しんで掃除しているようにみえるということである。
>それが彼らが憧れの対象になっている根本的な理由である。

>感情労働は客室乗務員から派生した概念ではあるが、
>もしも、貴方が魅力的になりたいとか、
>自分のやってる仕事の後継者が欲しいとか、
>誰からも好印象で見られたいと思うのならば、
>「感情労働者」でなくてはならない。

ここのところって良質で即戦力が身に着くセミナーを受講した感じです。
つまりとっても納得したし、知ってよかったなと思いました
私もさっそく自分の仕事に活かせます。ありがとうございます。
エイジさんの文章が好きでずっと読んでいました。
時々私のブログでも転載させてもらってます。
叡知の館ー美味しく食べてスリムで健康になる。
http://eichinoyakata.blog47.fc2.com/
今後ともよろしくお願いします。
2010年07月26日 18:39
教育もありますけど、
やはり、子供たちに仕事に夢がなくなったのは、
大人が子供に夢を背中で語れなくなったからでしょうね。
私は感情労働者になりたいと思います。>カズさん。

おみつさん。こんばんわ。
私は、掃除キャストのまん前でタバコの投げ捨てをする人を見ました。
すると、すぐに片付けるのです。
その男は、またタバコを投げ捨てるのです。
すると、また、すぐに片付けるのです。
ある意味、びっくりした風景でしたね。>おみつさん。

ヒュギエイアさん。こんばんわ。
じつはアクセス解析で叡知の館で僕の記事が紹介されていたのは知ってましたw
よくぞ、コメント下さりましてありがとうございます。
こちらこそ、今後ともよろしくお願いします。
カコ
2010年07月31日 09:01
エイジさん、おはようございます!

う~ん、感情労働者に憧れるとは。。。
その前に、自分が何をしたいとか、そういう発想がないのでしょうね。
楽しそうに見えることで選び、それを演じるのを楽しむということでしょうか。

それは、どちらかというと、「人目」を気にして選んでいるようにも思えてしまいますね。
2010年08月11日 17:32
ごめんね。カコさんここのコメント気づきませんでした。^^;)
つまり、人目を気にするというよりも
自分の美学だと思われますよ。>カコさん。
ゆにりん
2010年11月13日 11:58
 いいねー、私は屋内のキャストにあこがれました。

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  • キャビンアテンダントのクレーム処理

    Excerpt: キャビンアテンダント(スチュワーデス)ほど、 悪質なお客さんからパワハラやセクハラの標的になりやすい職業はほかには無いであろう。 Weblog: BlueBloomBlog racked: 2011-02-20 02:29