能力主義では有用な人材が育たない

世の中の会社を見ていると、社長がにわかに実力主義とか言って、年功序列を無視して若い者を抜擢する場合、多くの場合、失敗しているような気がする。
希に成功する場合は、組織が活性化されるが、失敗する場合は、年長者がやる気が無くなり組織全体の志気が著しく低下する。
組織においては一人でも足を引っ張る者がいれば全体として著しく志気が低下し業績が悪化するようである。

これは何故か?能力主義の弱点は何か?
結論を言えば、能力のある者=リーダー適任者 では無いのである。
ではリーダー適任者とはどんな人材をいうのか?について語りたい。

マキアヴェッリが「政略論」で、「有用な人材とは、かっての部下に命令される立場にあっても、不満なく任務をまっとうできる人物であり、このような人物は国家の宝であり大切にするべきである。」と書いている。
また、過去の部下の下で働くことを不名誉な事ではない。という風潮を組織内に作り出せる組織は負けない組織だと言う。

この例は、戦国時代の織田信長の組織活性化にも見られます。
典型的な例は、秀吉の抜擢であり、信長というリーダーは決して組織を硬化させず、常に活性化された組織作りの天才であったと言えましょう。
それゆえに信長の配下には強いリーダーが多く生まれたとも考えられます。
しかし、秀吉は組織運営が上手でなかった。三成を抜擢しますが、身内の贔屓が甚だしく、リーダーとしては信長よりもかなり劣っていたと思われます。
その点、家康は信長以上に組織運営の天才であったと思われます。

この秀吉と家康のリーダー資質の違いはなぜ生じたか?と言うと、家康自身が「かっての部下に命令される立場にあっても、不満なく任務をまっとうできる人物であった」という点に集約されると思われるのである。
残念ながら秀吉は「かっての上司を部下にする経験」はしましたが、「かっての部下に使われる経験」をしなかったし、それが出来得る人物であったかは判らない。
それゆえ、秀吉は有能であったが、本当に有用な人材であったかというと疑問である。

昨年まで上役だった人が部下の下役をやったりするのは良くない。という人がいますが、これはある面正しい。しかし、実際にこういうことが自然にできてしまう雰囲気がある組織は強くて結束が固いということが重要なのであり、そんな組織を作るためには、有用な人材がリーダーに成らないとダメなのである。

組織序列が出来上がって組織が硬化してしまっている場合は非常に弱く衰退必至であると思うが、組織活性化に能力(成果)主義を導入するのも衰退必死である。
問題は組織にあるのではなく、リーダーの資質にあることを知らねばならない。

過去の日本企業の強さは、儒教を基にした年功序列の考えにあったのは紛れもない事実である。
しかし、儒教でいう年功序列とは、リーダーが居座ることではなく、逆にリーダーが部下のために腹を切るという美学の上に成り立っていたのである。いわばリーダーとしての帝王学が重要なのである。
その帝王学の要諦こそ「かっての部下の下役が出来る人材を育てる」ことであり「リーダーには、かっての部下の下役が出来る人材を用いる」に尽きると思うのである。

能力主義とか実力主義では、有用な人材が育たない。

この話が嘘だと思うのならば、観察して欲しい。
もし、どこかの会社の社長が長年の功労者を蔑ろにし、知力や体力の優れた若者を抜擢するようなことを、「能力主義」だと考えているようならば、間違いなく近いうちに業績は悪化するということを、きっと確認できるであろう。


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この記事へのコメント

2006年07月08日 08:10
どういう状況になろうと、出来うる限り人の役に立ちたい、人のために動きたい。って考えるか考えないか、ってことじゃないかなあと最近思うわけなのです。もちろん報酬とか見返りとか俗なことを考えないわけじゃないですがね。プレーヤーとして生き生き働ける時期はいいけど、そういう状況から抜けた後、歳を食ってからの生きかたとか品性とかが問われるのかなと思っております。
KISHIKO
2006年07月08日 14:00
能力主義人事も蓋を開ければ好き嫌い人事…というようなのが実態ではと思います。他人の能力に対しての見極める力があるかどうか、また、他人の何処を見ているのか、それとも果たしてホントに見てるのかしら・・・という事を日頃よく思います。リーダーが好き嫌い人事で周辺を固めてしまうことに、リーダーが孤独に耐える力と度量を持ち合わせてないのが理由なのでは…と感じるこの頃です。
2006年07月09日 00:13
僕も最近 いろんな事をやってますので老人会の人とも接する機会が増えた訳ですが、どういう老人になるのがいいのかと考えたりする訳です。若者にやたら理解あるじいさんも嫌だし、我が儘で頑固なじいさんも嫌だし、永井荷風のような瘋癲じいさんもでもなろうかと思ってます>シーラさん

リーダーが変わると組織が一変されるのは当然のことです。そして企業の規模によって適正な人事があるそうです。
好き嫌い人事をする企業は規模が小さい企業及び危機的状況の企業なら成果が出ると言われています。
しかし、中堅以上の企業でそのような人事をするトップでは小さい企業に縮小するようです。
結局 リーダーの器の大きさに組織もリサイズされるに過ぎません。
中企業以上で好き嫌い人事をやってるリーダーでは業績のアップは望めませんよね。
だけども、そういうリーダーしかいない会社なんですから縮小する運命なのです>KISHIKOさん
2006年07月09日 19:35
おっしゃるとおり。部下の仕事は上の人がやるものではないと思います。
それと、ある程度の年齢の人が上で仕切らないと、下で働く人は、ヤル気をだせない。だから、男の人も、ちび・デブ・はげの3拍子そろった人が
はやく出世しやすいようです。
ふけて見えるから、安心感があるのか?
どうなんでしょう?
でも、エイジさんなら、社長まで昇進しても、なんの不思議もないですよ。一ファンとしてですが。
2006年07月10日 12:27
ほんま言ぅてはるとぉりやね!
能力にも色々あるけど
人を上手く 心地良ぉ~く仕事をさせ使いこなす ってのも能力
いろんな能力の方々が うまぁ~くつり合ってこその
いい会社 伸びる会社 働きやすい会社 になるんやろぉね

…と
こんな次々とよぉいろんな知識が出てくるわw
って 感心しとりますぅ
ほんま 一回じっくりお話ししてみたいわぁ!!!
むちゃくちゃ楽しいんやろぉなぁ
2006年07月10日 12:31
ぷぷぷ
NORIさんのお酒接待には、ハゲデブチビが多いわけですね
僕は、ハゲとデブは可能性がありますので社長になれるかな?
でも社長にならなくてもいいからハゲたくないっす>noriさん
アッシー
2006年07月10日 12:33
なるほど
そうするとアッシはnoriさんに接待される可能性がある訳ですね
2006年07月10日 12:41
そうですねー
一度 ばぁさんに京都の祇園を案内してもらいたいです
吉兆でもいいですねー
嵐山のコロッケも旨いそうじゃないですか?
京都は旨いものが多いそうじゃないですか?
>ばぁさん
2006年07月10日 12:42

たぶん 変態は可能性がないと思いますよ>アッシーさん
KISHIKO
2006年07月10日 16:24
「不満なく任務をまっとうする」ことが職責をまっとうしているとはいえませんよね。与えられた仕事の意味を、部下がその都度どのように理解するかは、上司の仕事の与え方次第ともいえます。そんな中、一方的押し付けでなく、様々な立場を理解でき、歩み寄りの姿勢と勇気を持てること(自分の非を認めることが出来る)がリーダーとして大切な要素ではと思います。
2006年07月10日 19:27
確かに最近の若い者は「言われたことしかしない」のが多いです
僕は個人的には「仕事熱心で自分の考えがある若者」が好きです
上司に好かれたいと思うのなら、人たらしの術をマスターするべきだと思うわけです
反対に上司は理解のある人が好きです
結局は人間的魅力が大事なんでしょう>KISHIKOさん

ところで、名古屋人ってあんまりきしめんを食べませんよね
僕は駅で食べるきしめんが好きです
2006年07月10日 21:43
とある小さな市役所は『年功序列』のようです。
観察していると、まったく仕事ができない人が職場のリーダー(係長)だったりするんです。でもね、そこはよくできたもので、仕事ができない上司の下には、よくできる部下がいるものですね。
仕事はできなくても「できるリーダー」なんですね?その係りはきちんと仕事が回っているのですから。
KISHIKO
2006年07月10日 22:12
最近の名古屋において、きしめんは「名古屋名物」の枠から外れてきているのではと思います。私自信もここ数年、きしめんを食してしません。また、巷の麺屋さんでも、きしめんをメニューに入れていないお店がかなりの数ではと思います。それで、なぜ近頃きしめんの人気が無いかを兼業主婦歴26年目の目で分析してみますと、
①麺の幅が広いので、食べにくい。…食べるとき、麺がぱちゃぱちゃとはねて おつゆの雫が飛ぶ
②麺の幅が広く、厚さが薄いので、乾麺の場合、茹でるのが結構難しい
③トッピングにバリエーションがないから単調…たぶん、きしめんは麺の食感そのものを味わうことに醍醐味がある。
ということではないでしょうか…
この頃はうどんでもラーメンでも、パスタでも、麺そのものを味わう以外に具(トッピング)のバリエーションで変化をつける方向に向かっているのではと思います。たぶん、きしめんはそういうことが無い。それに、そういうわけで、きしめんは、かなり出遅れているのではと思います。
2006年07月11日 12:50
さすが名古屋に半世紀のkishikoさんが語るきしめんのうんちくは唸るものがありますね
たしかに、きしめんにトッピングは似合わない
きしめんの存在意義は、麺が大きいので短時間で腹が膨れるということでしょうね>kishikoさん
2006年07月11日 12:52
自給700円はとある名古屋の田舎の市役所と判明しましたね
豊明ですか?>レセママ
2006年07月11日 21:46
ざ~んねんでした!
私は豊明市民ではありません。
ごめんなさい、豊明がどのあたりかもわかっていません(笑)
残念ながら(?)愛知県民でもありませんよ~。

2006年07月14日 19:28
あの田舎具合からいえば 豊明だと思ったんですけどね
すると、やはり岐阜の田舎ですね
岐阜なら時給700円なら高給ですよ>レセママ

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