椅子とセレブの関係

金も地位も申し分なく備えた人達は、幸福かどうかはわからないけれども、有り余った金を椅子に使うらしい。
インテリアセレブ紀行

椅子というのは、ツタンカーメンの古代から「玉座」という表現で表されるように、絶対的なステイタスシンボルであったことには間違いない。エジプトのファラオ以外は決して座ることを許されぬ王の椅子があったと同じく、現代でも「社長の椅子」とか言うから「椅子」というのは、ステイタスシンボルの王道であろう。と思う。

現代でも世界中のセレブ達はインテリアとか車に凝る傾向があるのは確かであるが、特に本物のセレブは椅子に凝る。椅子に関心の無いセレブは本物のセレブでない位、セレブ達は椅子が好きなようである。

なぜ椅子なの?車じゃないの?時計じゃダメ?

椅子の魔力について、江戸川乱歩が「人間椅子」という小説で表現している。

昭和初期、人気女流作家の篠崎佳子は、外交官の夫・昭一郎と何不自由ない生活を送っていた。しかし、彼女は異常なまでの潔癖症で、執筆中も手袋を用いるばかりか、夫との性交渉も嫌がった。ある日、彼女の元へ一通の封書が届く。それは匿名の家具職人からのもので、中身は彼が自ら作った椅子の中に入って、恍惚とした喜びに包まれているという告白文であった。初めは質の悪い悪戯だと思っていた佳子だったが、男の潜んだ椅子が、実は自分が今座っている椅子であったことを知った佳子は、ますます男への興味を募らせていった。さらに彼女のもとに新たな封書が届き、そこには一度でいいから会いたいという男の言葉が書かれていた。引き寄せられるように男と会う決心をした佳子は、指定の場所へ赴き男と関係を持ってしまう。彼女は今まで夫との間では体験できなかった陶酔を覚え、その世界にのめり込んでしまう。佳子と男はその後も逢瀬を重ね、ついに佳子は男との駆け落ちを考えるようになった。ところが、実は男は昭一郎であり、全ては妻の潔癖症を治そうとした夫の創作だったのである。

椅子は単にインテリアでなくて、徐々に自分の体を包み込む母親や恋人のようなものになっていく課程が面白い。椅子がいつのまにか生身の人間になれば、逢いたいと思うかも知れない。

そもそも椅子が権力者の象徴となった理由も、椅子が官能的な個人の体にフィットした座る者の恋人であり、分身でもあるからであろう。中国の風水でも「金持ちは金持ちの椅子に座る」と言うから、どうやら古今東西、ステイタスの象徴は「椅子」であることは間違いないようである。

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この記事へのコメント

2005年08月16日 04:17
なるほど~。
どんな椅子を選ぶかっていうのでその人の器が測られてたりするんでしょうか?黄金の椅子、ドでかい椅子、おしゃれな椅子。。。同じ高価な椅子でも色々ありそうですよね。

ところで、水野美紀もB型ですね。やっぱ何か違いますね、B型。
2005年08月16日 07:00
うーむ、北欧系のいいソファ買いに、今から家具屋へ直行だわ。
2005年08月16日 11:10
そういえば、学科長のことをchairと呼びます。chairmanといえば議長なんかのことですね。会議室の「お誕生日せき」に座ることで進行役を務める権限を与えられていたことを示し、その人が座る椅子は特別な椅子だったのでしょうね。ところで、「人間椅子」では、夫はどうやって夫と妻に悟られずに会うことができたのでしょうか。
NORI
2005年08月16日 12:36
知名度のあるデザイナーに、資金力のある企業がバックアップして、
好きなものを好きなように作っていく。。。これが一番良いものを生み出す基盤なのかもしれません。値段とデザインのバランスなんて、考えなくてもいい会社もありますから、実際。
でも、海外のデザイナーばかりを起用している日本のおしゃれなインテリアショップには結構うんざりします。
日本の新しく育っているデザイナーの起用をできる環境が、もっと出来上がっていけば、面白いと思うのですが。。。どうも、この業界にも
年配を敬いいつまでも崇拝して仕事を続けさせる傾向があるみたいで。そういう姿勢を批判するわけではないですが、その体質が日本をだめにしているような気もします。
2005年08月16日 15:59
お金があったら、ヤコブセンとかイームズのカラフルな椅子を買って、ゆっくりお茶をしたいなぁ~(*^^)v
2005年08月16日 18:09
さすがB型の人はB型に敏感に反応しますね
これってB型の性でしょうか?
確かにB型は体力のある美人が多いです>るりさん

シーラさんは北欧系のインテリアが好きなんだ
ってよく判らんですが(汗)>シーラさん

人間椅子男は「自分の顔は醜いから」という理由で顔は見せないのですよ オペラ座の怪人です
よくよく考えたら椅子って日本建築では一般的じゃないですが殿様用の座布団があったような気がします>ヒロシさん
2005年08月16日 18:22
さすが現役のデザイナーの意見っすね
NORIさんのコメントにうっとりします
日本って最近は建築も西洋っぽくなって椅子とかインテリアが一般的になって来たけど、日本建築だとインテリアの幅が少ないですからね
これからじゃないですか?日本のデザイナーも>NORIさん

インテリアって見てるだけで「心が豊かな気分」に為りますよね。高名な映画監督だったかな?イームズに「使い古したグローブのような椅子」を注文したそうですが、今のマッサージ機みたいな椅子でした>かあちゃん
2005年08月16日 20:23
そう。アイラーセン社の深い色した布製ソファをずーっと狙ってるんですよー。でも子供らが小さかったんでこれまで「ジュースでもこぼされたら半狂乱になりそう…」ってんでアキラメてたんです。でもそろそろいけるかな???
2005年08月16日 23:52
はじめまして、るりさんのところからきました。
エイジさんの記事+皆さんのコメントを見てると椅子って奥が深いですね。
有名建築家やデザイナーの椅子ってここ数年流行ってますよね。
でも日本人てブランド好きが多いから本当にその椅子が好きなのか「○○の椅子」っていうステイタスが好きなのか分からない人も多い気がしますが。
↑のNORIさんのおっしゃるように日本の若手デザイナーが育っていく環境があれば未来の有名デザイナーとなる人物が発掘されそうですよね。
そうなったらインテリア業界もおもしろいだろうなって思います。

あ、あと私もB型です。るりさん同様反応しちゃいました。
やっぱり、B型の性でしょうか?
2005年08月17日 12:38
アイラーセン社って馬車のソフアー作ってたらしいですね
ちょっと固めらしいですね
趣味いいんじゃないですか?
さすが味噌煮込みの麺もソファーも固めがお好きなようです>シーラさん

はじめましてーpotepoteさん
書き込み有難うございます
るりさんと同じB型なんですかぁ~
ここはB型女性のお客さんが多いですから波長ばっちりですよ
ポテポテさんも、なかなかオシャレ系な奥様ですね
こだわりってライフスタイルでは大切だと思いますが、最近特に椅子の話題が多いそうですね
藤井フミヤも言ってました>potepoteさん

2005年08月18日 11:10
こんにちは。B型に反応したので、ケンタッキーから接続中です。
potepoteさんもB型だったのですね。
やっぱ、世界がB型を呼んでますね。
2005年08月18日 12:33
ところで
牛の血液型は全部がB型だそうです
2005年08月19日 04:03
じゃー私はビーフですね。
狂牛病!
私自身はいのしししですけどね。
エイジ
2005年08月19日 12:25
いのしし年のおひつじ座でB型ですか!
つーか いのしししになってるけど(汗)

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  • 本当にあった、人間椅子!Jamie Isensteinの作品(2006)

    Excerpt: 何気なく学生新聞を見ていたら、芸術学部の卒業生の展覧会の情報が載っており、その写真を見て愕然としました。 Weblog: もっと学ぼうニッポン:ブログ時代の日本語学習 racked: 2007-09-11 02:25