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zoom RSS 癒し系について

<<   作成日時 : 2006/03/13 01:29   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 6 / トラックバック 1 / コメント 11

時代を超えて支持される芸術を考えると、私は「癒し系芸術」であると思う。
なぜなら、価値観や流行は時代によって変わるけれども、癒しを感じる心は人間の普遍的な感情だからである。

癒しの芸術は古くならない。

人が憂うと書いて優と読むように、憂う気持ちの中にあるセンチメンタルな気分こそ、癒しの源泉であろう。
もしも花火が消えずに夜空に煌めき続けるのならば、きっと花火の癒し効果は消滅するに違いない。
花火の癒しの力は、花火が消える故ではないか?

思えば、廃墟の魅力も癒しの魅力であろう。
廃墟が古さを感じさせないのは何故であろう?廃墟に感じるのは古さではなくて、ノスタルジィではないかと思う。
現実の世界でありながら、廃墟はすでに非現実の世界に存在している。現実と非現実の二面性を同時に感じることに、現実を越えた追憶のノスタルジィを彷彿させ、そこに癒しを感じるのであろう。

癒しがセンチメンタルな気分によって得られるとするならば、気持ちが塞いだ時に、元気を出そうと思って、明るい曲を聴くよりも、思いっきり暗い曲を聴いたほうが癒されると言う理論も当てはまると思われる。
歌姫中島みゆきの曲を失恋したときに聴くと、癒されるというのはこういう理由であろう。

この傾向は文学においても見られる。
最近、文学賞を取った若い女性作家が「太宰治が好き」と言ったコメントをしたり、テレビのドラマで太宰の生涯が放映されたりしているが、太宰治の文庫本は必ずどんな本屋でも広いスペースがある。
太宰治は普遍的に人気のある作家であることに間違いはないようであるが、なぜ、有名な文学賞をもらっていない太宰の本がいまだに読まれ、名作と言われる小説を書いた志賀直哉とか島崎藤村などの巨匠は、古典になったけれども、現代では読まれないのか?

それは、太宰文学が癒し系であるからに他ならない。
太宰治の文学に古さを感じさせないのも、太宰が描く世界が時代背景による主題ではなく、どんな時代においても変わらない人間の本質的なセンチメンタルな部分を描いているからであろう。

傷んだ神経を癒す読書の場合でも、明るい内容の本よりも、坂口安吾や太宰治のような人間の弱さを描いた暗い小説の方が癒し効果が高いのは、失恋の時に聴く中島みゆきの癒し効果と同じなのである。

当時、まったく無名であった、シルベスタ・スタローンが「世界中の人を感動させる共通の映画はセンチメンタルなメロドラマである」と発見し、ロッキーを制作したという話を聞いたことがあるが、センチメンタルこそ、人類の普遍的な共通感情であり、時代を越えて支持される芸術とは癒し系の芸術であろうと私も思う。
たとえばレオナルドダヴィンチのモナ・リザのように、あの憂いを含んだ微笑みこそ、時代を超えて、根強い人気を維持してゆける最も代表的な基準であると思うし、モナ・リザこそ癒し芸術の代表であろう。

アイドルの人気についても、外見が可愛いとかスタイルが良いとかという要素だけで人気が維持される訳ではない。
根強い人気を維持するには、癒し要素がもっとも大きな理由である。

例を出せば、いまだに根強い人気の森高千里やテレビに出ないのに熱狂的なファンが多いZARDの坂井泉も癒し系であるゆえである。
癒し系のアイドルは簡単に人気が落ちない。常に熱狂的なファンがいるからである。
癒し系にとって、テレビに出るという要素は大きな材料ではなく、逆にマイナス要素でもあるのだ。そこが癒し系の強みでもある。

本来の真の意味での癒し系とは、よく言われるような健康的でセックスアピール豊富なアイドルやロリータ系のアイドルではなく、どこか寂しげであり、その中に女らしさを意識させるアイドルであるし、人気を継続させるには、どこかにセンチメンタルな要素を持った癒し系でなくては人気は継続できないだろう。

現に長い間人気を維持しているアイドルは、明るいキャラよりも、エネルギーを感じさせない、あまり笑わない、暗い感じで媚びない、どこか寂しげなアイドルが多いように思う。

さて、最期に太宰の言葉でお別れしましょう。

「どのようにぶざまな言葉でも、せつない心がこもっておれば、きっとひとを打つひびきが出るものだ。 」 (逆光より)


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タイトル (本文) ブログ名/日時
癒し系・・・・・・ロッキーねた
関係ないけれど、 私の癒しがロッキーです。 ...続きを見る
日々安寧
2006/03/13 20:37

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コメント(11件)

内 容 ニックネーム/日時
ロッキーはアメリカンドリームを象徴しているようで、でもIはすごく底辺にいる人間の底辺の生き方を描いているところが見事なんですよ。ロッキーだって、ボクサーとしては若くない30歳だし、エイドリアンはさえない30歳の女性だし、街はすさんでいるし。私はスタローンを支持するのはセンチメンタリズムかもしれませんね。しゅわさんにはそういうものが感じられない。まぁ、ロッキーもIIやIII以降になるとセンチメンタルとはかけ離れてしまいますが・・・・・・・

えいさんはものがなしさやあはれが好きですね。
りょう
2006/03/13 20:19
何を隠そう、感動して泣けた映画は唯一ロッキーTなんだよね
あの 最期の「エイドリアン〜」という所はもう鳥肌で涙ボロボロでしたよ。それがまた エイドリアンまったく冴えない女ってとこが余計に泣けちゃってね。ロッキー勝利で沸き立っているのに、お構いなしに「エイドリアン〜」だもんなー
センチメンタルメロドラマの何物でもないでしょう
ロッキーはTだけで良かった
ロッキーだけで後は出なくて良いよ スタローンかもね
エイジ
2006/03/13 22:07
「陰翳礼賛」ってのもある意味、癒し系かもしれないと思いました。陰のあるところに引かれるという点で。谷崎の場合、引かれるというか轢かれてもいいぐらいの感じかもしれないんですけどね。
ヒロシ
2006/03/14 12:22
いいですねー
谷崎ですか
いってますよね
「日本人の美意識とは陰やほの暗さを条件に入れて発達してきたものであり、明るさよりもかげりを、光よりも闇との調和をもっとも重視してきたものである」と。

僕がディズニーランドで感じたのは、光と闇の二極性です
その点、日本の美意識は闇を考慮に入れた光の煌きですよね
特に日本家屋は、光と陰の調和を考えていますね
そういえば、ヒロシさんの好きな絵画も、光と闇の調和ですね
日本人ですね>ヒロシさん
エイジ
2006/03/14 17:50
癒しって大切ですね。
日本人は繊細な感覚があるといいますが、四季があるから培われたんでしょうね。私が最近癒されるのはお風呂につかったときでーす。この感覚もシャワーのみの国で育った方にはわからないだろうな〜 日本ばんざい!
スー
2006/03/14 19:56
湯船に浸からない風呂は風呂じゃないです
シャワーだけなんて日本人じゃありません
やはり湯船で人肌温度の日本酒を飲みながら、血圧を上げるというのが日本人です
エイジ
2006/03/15 12:28
日本人ですよー。光と闇の調和。陰影もあったほうが厚みが出ていいですよね。まさにディズニーランドは両極端、なんか作り物な感じがするんですよね。湯船もいいですね。あー、そんなお風呂につかってないなー。
ヒロシ
2006/03/17 06:18
昨年ですが、夏に海の見える露天風呂に入ったんですけど
確か気温が高かったんですが、露天風呂って涼しいんですよ
昼でね。露天だけどね。
まさに爽快って感じでした
サウナと違う爽快さですね
エイジ
2006/03/17 12:38
この間、出張で福岡に行きました。温泉目当ての観光客が多かったように思います。きっと、今週末も混むのかもしれないですね。ちなみに来月は岐阜に出張ですよ!(エイジさんの写真の夜景を是非見たいです。)
やはり、露天風呂はこの季節か、秋が一番ですよ。
夏に海の見えるお風呂なんて、とっても素敵ですね。
NORI
2006/03/18 01:39
岐阜に仕事で出張ですか?夜景といえば泊まりなんでしょうか?
仕事で時間がないかもしれませんが、岐阜の街を知っていただけるには僕の案内が一番でしょう

エイジ
2006/03/19 16:52
いいなあ〜NORIさん!
実物エイジに会える第一号かも〜
スー
2006/03/20 13:43

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